郷愁「幻なりき」     岩間鶴夫監督    轟夕起子 岸惠子 佐野周二 三宅邦子 笠智衆 高田稔 森川まさみ 設楽幸嗣 大坂志郎 水上令子 1952年制作

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郷愁「幻なりき」 1952年制作
監督 岩間鶴夫
出演 轟夕起子 岸惠子 佐野周二 三宅邦子 笠智衆 高田稔 森川まさみ 設楽幸嗣 大坂志郎 水上令子

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古典邦画集PD

仏印の大華僑楊氏の美しい未亡人芳蘭は、元は岸本比奈という日本女性であった。
仏印からはるばる日本へ帰ってきたことで、人々は色々と噂し合った。
比奈はその昔笹川弘の妻で、苛酷な姑を刺したことから入獄し、離縁になったのだった。
獄中で娘の雪子を産み、産衣のまま踊りの師匠栗林達雄にもらってもらった。
比奈はその娘恋しさに帰ってきたのだった。
比奈の事件以来家運が傾き貧しい暮らしをする兄の順吉は、かたくなに比奈に会おうとしなかった。
ようやく栗林家のありかを突き止め、達雄に会って雪子を返してくれと頼むが、手塩にかけた雪子をいまさら手放すことはできないと拒絶された。
昔密かに比奈を想っていた達雄にとっては、雪子の中にその面影を求めようという気持ちもあった。
比奈は激しく失望するが、雪子が達雄とその妻さだの愛情の中でどんなに幸福に育っているかを見ると、自分がもはや余分な存在でしかないことを悟って、一人淋しく箱根に逃れた。
しかし達雄夫婦は雪子を比奈に返すべきだと考えるようになり、達雄が雪子を箱根に連れていく。
そこでの楽しい対面に、比奈は自分が母であることを明かさずに一人で先に帰京した。
達雄と雪子が帰宅してみると、さだは、達雄と雪子と比奈と三人で幸福になってくれ、と書いて実家へ帰っていた。
雪子は比奈を訪ね、生みの母というだけで自分たち一家の幸福を乱さないでくれ、と言う。比奈は希望を持って訪ねた日本の土地から、再び帰らない覚悟で一人仏印に旅立つのだった。
やはり雪子に会うことを希望に二十年独身を続けてきた笹川弘も、美しく舞う雪子の舞台姿とその育ての両親の愛情に満ちた姿を比奈に見せられて、諦めるのであった。
比奈を乗せた飛行機が飛び立とうとした時、見送りのために飛行場へ駆けつけた雪子は、お母さんと叫んで手を振るのだった。

Filmarksに投稿された感想・評価
轟夕起子(実母)と岸恵子(娘)による生き別れ母娘ドラマ
助演に佐野周二(養父)、三宅邦子(養母)、大坂志郎(居候書生)、高田稔(元夫、実父)ら
【あらすじ】
仏印(インドシナ)からセレブな華僑の夫人(轟夕起子)が来日
実は夫人は元々日本人、訳あって18年前に日本を離れたのですが
18年ぶりに帰ってきた理由は生まれて間もなく生き別れた娘を探すためです
長年抱えていた後悔、会いたいという気持ちが抑えきれなくなり華僑の夫が亡くなったのを機会に思い切って出てきたのです
いろんなことが様変わりしていた故郷ですが、なんとかツテを辿ってわりとあっさり知人(佐野周二)に預けていた娘(岸恵子)の居所が判明します
轟夕起子は佐野周二と再会し、娘を返して欲しいと頼むのですが
18年間実の娘として育ててきた佐野周二は断固拒否、娘に近づかないで欲しいと言うのでした
その後佐野周二は心変わり、もちろん大切な娘を手放したくはないが轟夕起子の寂しい暮らしを考え、返すことを決心し娘に会わせようとします
一方轟夕起子のほうも揺れています
娘が実の子としてかわいがられとても幸せな暮らしをしている
真実を打ち明ければ幸せな家庭が壊れて娘は傷つくし、我が子のように育てて来た親(佐野周二&三宅邦子)の悲しみはいかばかりか
あんなに会いたい連れて帰りたいと思っていた夫人ですが今度は逆に会わないように会わないようにと避けるようになっていきます、、、
【感想】
岸恵子がかわいらしい、すっごいアイドルしてる映画
轟夕起子はほとんどチャイナ服姿、あちらではおばさんでもこんな格好してたのかしら
そして実験が失敗して爆発したみたいな変なヘアースタイルしてるw
ストーリーは複雑な心境の変化をうまく描けていると思う
やっぱ生き別れの親子ものって親の方から訪ねるとろくなことないんですよね
自分勝手に捨てといてなにを今更また自分勝手に、みたいな
まだ岸恵子が貧しくて苦労して生きてきたならワンチャンあったんだろうけど、、、絵に描いたような幸せな家庭だもん、それを引き裂くなんて無理よねー
轟夕起子の立場を思うとつらいなー
うろちょろする元夫高田稔は邪魔だし
娘に会っても母親だと名乗り出せないし
母親だと疑われても「オホホ、マァ誰がそんな嘘を」みたいなこと言って強がって、、、
最後の最後、日本を離れる際に「お母さん(お母様)」と呼んでもらえたのが救いよね

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